おかあさん

母親のことはママ呼びするように教えられてきた

昔はずっとママって呼んでたけど、中学くらいからおかんとかって呼び始めた気がする、東京タワー、僕とオカンと時々オトンが流行り始めた頃。母もおばあちゃんのことをママと呼んでいる。

私は母親のことがけっこう好きだ。

ちなみに、お母さんのことが好きな男性も好き。母親を大事にする人最高だし、邪険にする人にロクな人いないっていうか、マザコンじゃない男の人ってあんまりいないんじゃないかと思うので

やっぱり母親ってすごいなって思う。皆母親のこと好きだなって思う。

太宰治の斜陽に出てくる直治とかいう意地らしいだめ男も世間知らずな貴族の母親のことを散々バカにしながらめっちゃお母さんのこと好きだからね。悪になりきれないんだよね。

スターウォーズのアナキンも母親殺されてダークサイドに落ちちゃったわけだからね。やっぱりすごい存在なんですね、母親っていうのは。

私も母親のことはバカにするっていうか、茶化しつつもかなり好きって感じ

 

私は子どもの頃からずっと甘やかされ続けてきたと思う

まあその割に早い段階(中学受験)で挫折を味わって、人生うまくいくもんじゃないなと悟ったのだけど

小さい頃から頭ごなしに怒られたことはなくて、これは、こういう点でよくないからだめだよ、とかちゃんと理論づけて説明をしてくれたし、私もそれを理解していたらしい。とにかく聞き分けが良くて、おっとりしていて、静かな子だったらしい。

小さい頃のビデオとか見ると本当に愛されているのがよくわかるし、ちっちゃい私の体から幸せ〜なぽわぽわしたオーラが出ている

日の当たるぽかぽかしたリビングで、涙が出そうなくらい幸せそう

私が自分の母親に一番感謝しているところは、あんまりよくないわがままをさせてくれたことかな、と思う。好きなことだけやらせてきてくれたこととも言い換えられるな。とにかく何かを無理強いされたことはない。

私は小中高と、疲れやすく、体力もなく、精神も弱くて、朝も弱くて、

っていうか、もう、朝弱くて、学校も好きじゃなかったので、起きられず

月に2、3回は学校を休んでました。

学校休んで、午前中は3ちゃんねるを見て、

午後からは好きなバンドのライブDVDとか、PV集とか映画とかアニメとか見て、夕方くらいになると「今日学校いけたなあ」とかちょっとだけ反省して、その割には夜更かししてました

本当はよくないことだとわかってるけど、当時の私にとってそれは最高な時間で、怒らずにその時間を過ごさせてくれたこと

学校に行きたくないとか、なじめないとか、集団がめんどくさいとか、わかってくれてありがとうっていう感じです。

なじめないならなじまないとか、やりたくないならやらないとかいうのもアリだとわかったことでかなり肩の力が抜けるようになったのかなと思う。

社会的にどうかよりも何よりも自分のこととか、他人のことであってもその人個人のことを社会的観点とかよりも優先させることが出来れば、みんな窮屈じゃないのにねとか考えてしまう。

おかげでめっちゃ根性なしに育ったけど、好きなことならがんばれるし、何より、このままじゃあ社会に出てからまずいなあとわかっているから、いいんです、まあでもそもそもその根性って本当にいる?みたいなことを思ってしまうな、このまま根性なしのままかもしれないな

ということからも分かるように、私の母親は私同様協調性がまるでないわけじゃあないけど、あんまり重視しない人です。さらに、メルヘンで自然を愛する感じの人でもあるので、浮世離れしているのかと思いきや、かなり現実的な人でもあります。

私の祖母は世間知らずの善人、ていうか聖人かっていう感じの人で、母は若い頃そんな祖母のことがうっとおしかったらしい。それとはまるっきり別の母親像になってると思う。

私は小学生の頃から散々金の話をされてきた。(今ではわざわざされなくてもその重みはよくわかるつもり)

たぶん中学受験とか、しないという選択肢も余裕であることをさせてもらってきたから、いちいち「お金がかかってる」「老後のお金を削っている」というアピールをされてきた。(ウチは父親がかなり稼いでくれているけれど、子ども2人とも私立の中高に通わせる程の余裕はないくらいの感じなんだろうなと思う。)

そういう話をされると、重荷に感じるし、息が詰まる、だいたいフツー子どもにそういう話するか?みたいなことを一度言ったことがあって、そのときは

「へーじゃああんたはずっとお金のこと隠されてるままでいいんだ」って言われた。普通の親らしい親は口にしない苦労だけど、うちの親はそうじゃないんだなって思った。

私の母親はあんまり母親らしい母親じゃない、普通の人間だと思う。母親としてどうとかよりも、ひとりの人間として話をしてくることの方が圧倒的に多い。大人気がないことも良くある。

甘やかす一方で、社会の厳しい現実に早いうちから触れさせたし、自分の社会で経験した話もしてきた。割と 昔から、父の前に付き合ってた人の話とかもしてきた。

私自身甘ったれた性格ではあるけど、世の中甘くはないことをわかった上で最大限に甘ったれようと思っているところとかはこの教育のおかげかもしれない。

あと、大人げないことを指摘すると「大人っていっても子どもがいるから、相対的に大人なだけ、中身はあんたとそう変わらない」と言われたこともある。

そしてこれはよく言われる。

私が今22歳だなんて実感ないね〜と思ってるような感じで親だって半世紀以上生きても、だから自分は大人だとかとは思わないんだろうなとか考えてしまう。

なので大人にならなきゃとかとはあんまり思わなくっていいんだと思う。今の感じで一生行くのはやばい気もするけど、結局やばいところ残したまま一生行くんだろうな。それはやっぱり、よくないような気もするけど、まあいつまでも変わらずに居られるのであれば、なんとなくうれしい。

 

まあなんかスケールのでかい話になってきてしまったな。

母親からあと植え付けられたものといえば、アミニズムかな…。

おかげで人、動物、もの関係なく色んな立場になって勝手に考えて、感情移入出来る体質になってしまい、涙もろくなったし、色々思い悩むことも多い。ものを大事にするのはいいことだけれど、アミニズムは度が行き過ぎると悩みの種が増えるので子どもに教えるときは注意してほしい。けど私も子どもにアニミズム的思考を植え付けるんだろうな。

まあ最近ちょっと耳が遠くなってきたりしてて、衰えを感じる。

私がちょっと離れたところで一生懸命話してても聞こえてなくて、「なんかいった?」と聞き返されたりするとついイラついてしまうけど、なんか、ああ、年なんだなあと思って悲しくなる。

なるべく長く生きてほしい。これに尽きる。

まとめると、母はちょっと変わった人かな…。あと、いつまでも若いです。年の割にきれいだしな。ごはんのとき高校生の頃から同じライブかPVばかり見てても文句を言わないところ、すごく尊敬しています。